選挙期間中の風物詩ともいえるのが、ウグイス嬢による候補者の名前の連呼です。ウグイス嬢の仕事内容とはどのようなものなのか、ウグイス嬢は仕事を行う上でどのようなことに注意しなければならないのかなど、くわしくご説明いたします。
選挙運動におけるウグイス嬢とは、選挙期間中(告示後から投開票日の前日まで)に選挙カーに乗車して、候補者の名前などを広報する女性のことをいいます。
公職選挙法上、ウグイス嬢は正式には「車上運動員」に該当します。
選挙運動における第一歩は、有権者に候補者の名前と顔を知ってもらうことですから、候補者の名前を車から連呼するウグイス嬢が果たす役割は非常に大きなものです。
ウグイス嬢の仕事内容は、選挙区を走行して回る選挙カーに乗車して候補者の名前を連呼することによって、選挙区内の多くの有権者に候補者の名前をしっかりと認識してもらい、最終的には有権者の投票行動につなげることです。
選挙カーを停止させて、候補者が人の多い駅前や商業施設、住宅街などで街頭演説、集会を行う場合には、ウグイス嬢が司会進行のような役割を果たす場合もあります。
さらに、候補者本人が不在で選挙カーに乗車せず、ウグイス嬢のみが選挙カーに乗車して選挙運動を行う場合もみられます。
ウグイス嬢の報酬は、一日15,000円以下と定められています。
ただし、選挙運動は基本的には無償のボランティアによってのみ行うことができるという点に注意しなければなりません。
ウグイス嬢へ報酬を支払うことが可能となるのは、ウグイス嬢を車上運動員として、立候補時手続きにおいて届け出をしていた場合のみです。
また、ウグイス嬢に一日15,000円以上を報酬として支払うことは禁止されていますので、選挙違反とならないよう適法な契約を結ぶようにしましょう。
ウグイス嬢の仕事をするにあたって年齢に上限はありません。しかし、満18歳未満の人は選挙運動を行うことはできない点(公職選挙法137条の2)にご注意ください。
ウグイス嬢の応募が一般に向けて広く募られていることは少ないので、もしウグイス嬢の仕事に興味があれば、候補者陣営に問い合わせてみるなどしてみましょう。
ウグイス嬢になるための特別な決まりはありません。誰でもウグイス嬢になるチャンスはあります。
とはいえ、ウグイス嬢の役割を任せられるのは、候補者や候補者陣営に近い関係性の方が選ばれることが多いようです。なぜなら、ウグイス嬢は候補者本人と選挙カーの中で多くの時間を過ごすことや、候補者の名前を広報するという重要な役割を果たす以上、候補者本人のイメージを下げるような行動をしてはならないのはもちろんのこと、候補者のイメージアップや集票につながるような立ち居振る舞いをすることが求められるからです。
つまり、ウグイス嬢は車上から上手にアナウンスをするというアナウンス技術だけが問われているのではなく、安心感や信頼感があり、候補者や有権者などに十分に配慮しながら周りの状況をよく見て目配り・気配りができるような人物が適しているといえます。
技術的な観点から見れば、アナウンサーや司会業、アナウンスに慣れたバスガイド経験者などがウグイス嬢をつとめることもあるようです。
ウグイス嬢のアナウンスは、走行中の車の中からマイクと拡声器を通した声が有権者に届けられるということを意識する必要があります。通常、走行中の選挙カーはスピードが出ているため、あっという間に進んでしまうものです。
したがって、ウグイス嬢は端的に短い文章を、なるべく明瞭な声で発声しなければなりません。普段話している声よりも、数段階トーンを上げて発声するとよいでしょう。候補者の名前の部分は少しゆっくりと大きく話すことも効果的です。
練習方法としては、ウグイス嬢として話す内容を台本セリフにまとめた上で、カラオケ店などに出向いて、マイクを通した声の聞こえ方をチェックするとよいでしょう。
また、最近はスマートフォンなどにも簡単な録音機能や録音アプリがついていますので、セリフを練習する際には録音をして、録音した音声がどのように聞こえるのかを何人かで客観的にチェックすることもおすすめです。
ウグイス嬢がよく使うセリフ例は以下の通りです。
公職選挙法上、ウグイス嬢は選挙カーの走行中は連呼行為のみが許されています。
したがって、選挙カーが走行している間は、演説とみなされるような行為をすることは避けましょう。また、誹謗中傷や悪質な虚偽にあたるようなことを発言することも控えましょう。
さらに、選挙カーからの拡声器を使ったアナウンスは周辺にかなり大きく響き渡るものです。病院や学校、葬祭場などの周辺ではアナウンスを適宜中断するなど、有権者の生活に配慮した形でのアナウンスを行うように心がけましょう。
ウグイス嬢は通常女性がその役割を担いますが、男性版のウグイス嬢はいるのでしょうか?
男性の場合にはウグイス嬢ではなく「カラス」と呼びます。
もっとも、「カラス」が見かけられるのはごく稀なことです。
なぜなら、候補者とウグイス嬢が選挙カーに同乗する場合、候補者の必死の連呼に合いの手を入れるようにして、ウグイス嬢が上手に名前を連呼するのですが、男性候補者と男性の掛け合いよりも男性候補者と女性の掛け合いの方が聞きやすく分かりやすいという点があげられます。
また、女性の声の方が高いことから、多くの有権者にとって聞きとりやすく、女性の明るく柔らかい雰囲気の声の方が一般的には受け入れられやすいといった側面もあるでしょう。
ウグイス嬢の報酬に、政策活動費を使うことはできるのでしょうか?
そもそも政策活動費とは政党が議員に支出する政治資金であるとされていますが、その支出先はほとんどが国会議員です。地方議員が政策活動費の支出を受けることはまずありません。
しかも、政策活動費は政党活動の一環として支出するものですから、その使い道も政党活動の範囲内であるべきです。
候補者からウグイス嬢への報酬支払のように、選挙運動にかかわる費用については、選挙運動の費用として候補者個人が用意した自己資金や寄附金によってまかなわれることになります。
したがって、政策活動費とウグイス嬢の報酬については無関係であるといえます。
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ウグイス嬢は、選挙運動においてはとても重要な役割を果たしています。ウグイス嬢をつとめる機会がある場合には、アナウンス技術以上に周りへの配慮や心のこもった対応をすることで、候補者のPRに大きく貢献をすることができるでしょう。
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